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人生初の造園家とのコラボレーションで感じたこと(1)

これまでの人生で、様々な企業様や大学の先生方とのコラボレーションを経験してきました。今回、人生初の造園家とのコラボレーションを経験して、多くの学びや気づき、そして、何よりも楽しさを感じています。

 

現在進行形なのですが、『雑木の庭』を造っています。

『雑木の庭』って、聞いたことありますか?

里山の風景に心を癒やされた経験のある方は、多いのではないでしょうか?里山は、私たちの暮らしのすぐ近くに広がる山や森、雑木林などの人の手によって造られ維持されている自然環境です。雑木の庭とは、わかりやすく表現すると、庭に里山のような自然環境を取り込むスタイルの庭です。今年の9月2日、大安吉日に造園を開始して、現在8割方出来上がりつつあります。

 

依頼主の私と造園を請け負う造園家との関係ではありますが、自然に囲まれた心地よい空間を創りたいという私の想いを共有し、一緒にその空間を創り出すプロセスは、まさにコラボレーションだと感じています。

長年、雑木の庭を手掛けてきた造園家の自然環境や植物に対するプロフェッショナルな考え方や造詣の深さに多くの学びを得るとともに、職種は異なっても良い仕事をする人には共通点があるのだなと感じたことが多々ありました。これまでに印象に残った幾つかをご紹介したいと思います。

 

1.基礎を大切にする

造園家が最初に取り組んだのは、しっかりと基礎を整えることでした。土の状態を確認して整備していくことに加えて、今回は小川を創ることもあり、庭全体の水の沁み込み方や流れ方を確認し、不足する部分には排水機構を補強して、雑木が安心して成長できる環境を作り込むことに多くの時間を費やされました。私は、造園家が庭全体の排水にここまで気を配り、かつ、手を加えることに正直驚かされましたが、この造園家に対する信頼が高まったことは言うまでもありません。造園家の方曰く、この段階の作業はきついし面白くはないのだけれど、地面の状況や水の流れ方をしっかり整え把握することが、良い庭を造る上で最も重要なのだそうです。更に、この作業を自ら行い、地盤の状況を把握するからこそ、その土地に最適な植栽が提案でき、作業を通じてアイデアを生み出すこともできるのだそうです。

私自身、どのような仕事も基礎や基本が大切であると考えてきましたが、職種に依らず、良い仕事をする方は基礎を大切にするのだな、と改めて実感した次第です。

 

2.顧客の要望にプロフェッショナルな提案で応える

今回の雑木の庭造りにあたっては、私から大切にしたいコンセプトと創りたい庭のイメージ図を提示し、それを元に専門家の視点で様々な提案をいただきました。プロフェッショナルな提案を頂いて、私のイメージ図が、心地よさに加えて躍動感や広がりを生み出す内容にブラッシュアップされたことに流石だな、と感じさせられた点が多々ありました。その一つが、ウッドデッキに関してでした。

庭に面した窓から庭につながる空間としてウッドデッキを設置しています。私がイメージ図に書いたのは、建物と並行に床板を貼る長方形のウッドデッキでした。一方、造園家が提案してくれたのは、建物に対して45度の角度で床板を貼り、どころどころに植栽を植える切り込みが入りつつ先端が庭の奥行に向かう形状のウッドデッキでした。人間工学に基づく知恵を取り入れた結果だと思いますが、ウッドデッキの形状一つで庭に躍動感や広がり、そして心地よさが生まれることに驚きを感じています。

また、私は、ガーデニングが趣味とは言え、虫が苦手です。ウッドデッキの下に虫が集まるのを防ぐためにコンクリートで固めて欲しいとお願いしたところ、却下されました。コンクリートで固めてしまうことは、地面が呼吸できなくなってしまうため、土地を最も痛めてしまうことの一つだそうなのです。地球を大切にする観点から極力コンクリートで固めることは避けたいのだと説明していただきました。代替え手段として、しっかりと砂利を敷き詰めて、地面にも優しく、かつ、私のニーズを満たす対応案を提案していただきました。

地球に配慮することの大切さを認識させられたことに加えて、単に顧客の要望に応えるだけではなく、プロフェッショナルな提案で最適解を提示することの大切さを実感した気がします。

 

kaoru.chujo@sowinsight.com (中条 薫)

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